(前略)
「作新学院の小学部でみんなが目指しているのは、リトル・レディー、リトル・ジェントルマンになること。
みんな紳士・淑女ってわかるかな?」
新入生、一斉に首を横に振ります。
「それは、わからないよね。
上級生のみんなは、わかる?
紳士・淑女っていうのは、要するに立派で素敵な大人っていうことなんだけど、具体的にどういう大人が立派で素敵かっていうと、それは色々な考え方があるよね。
私が考える紳士・淑女というのは、自分よりも弱かったり、困っている誰かのために、自分が我慢できる人だと思うんだ。
心の中では自分が先に行きたいと思っていても、その思いをグッと我慢して、お先にどうぞと言える人。
今日みたいな雨の日に、たとえ自分も半分濡れてしまうかもしれないけれど、傘がない人に自分の傘を差しかけてあげられる人が、本当の紳士・淑女だと思うんだな。」
ここまで来ると、新入生たちから疑いの眼差しはほぼ消えたようで、心なしかその表情も晴れやかに見えました。
それにしても、今年の一年生の集中力はとても高く、パイプ椅子からまだ全然地面につかない足をユラユラさせることもなく、こんな小難しい説教話にみんなジッと聞き入っているのですから、大したものです。
それに引き換え世界の大人たちは、すっかりトランプ流の自分ファーストが主流になってしまって、困ったものです。
入学式を終え会場を出ると、式典前は雨模様だった空からは雪が舞っていました。
「雪だ!雪!」、子どもたちからも次々と歓声が上がりました。
こうして入学式最終日である幼稚園入園式まで守り繋がれた、今年の作新桜。
見上げると、一青窈さんのヒットソング「ハナミズキ」のフレーズが浮かんできました。
この曲は、9.11米国同時多発テロをモチーフに作られた歌だそうです。
・・・お先に行きなさい。
どうぞ行きなさい。
僕の我慢が、やがて実を結び・・・
教育とは、100年先の世の中の幸せを思って、今この瞬間にベストを尽くして行く仕事であることを教えられた、平成最後の入学式でした。
全文はこちらをご覧ください。
https://ameblo.jp/japanvisionforum/entry-12454258154.html
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